スタッフブログ

”スタッフの思い”更新しました。  入院の窓口、医療相談員

 当院は最寄駅から徒歩20分か、バスを利用するすかなく交通の便が良いとは言えない場所です。しかし、ボランティアさんが手入れしてくれている庭(季節の様々な植物や野菜)や、病院前には昭和記念公園から続く広い公園もあり、自然環境に恵まれた病院です。入院を希望される方は病院の方針や院内の雰囲気、設備環境、利用されたご家族からの口コミで入院決める方が多いようです。

 現在、急性期病院では治療が終わると退院という流れであり、以前と比べると早い時期に退院先や生活場所を問われて戸惑う場面がよく見うけられます。私たち医療相談員は、最初にご家族にご家族の声を聞く職員となります。入院にあたり、生活環境だけでなく療養型病院機能や費用などを含めてご説明させていただいています。ご家族からは病状や今後の方針、希望等を確認させていただいています。方針が決定している方もいますが、療養型病院は初めてで、転院は理解しているもののその後は考えられないという方も多くいます。

 制度や社会資源の紹介だけでなく、本人とご家族が自身で決定できるようお手伝いをさせていただけたらと日々思いながら仕事をしています。退院先から次の生活の場の橋渡しをしたり、自宅に帰る方の支援やその節節でのご相談等にのり、関係機関とも相談、情報提供しながら「チームあきしま」の職員として相談しやすく頼れる医療相談員をめざして頑張りたいと思います。                                                                         

当院の3名の医療相談員。 満開のなんじゃもんじゃの木の前で

満開の桜の下、今年もお花見ができました。

 

病院近くの残堀川は桜の名所です。4月7日、満開の桜の下で病棟患者様のお花見を行いました。外出する機会が少ない患者様方には近くまでの外出でしたが、病院に戻られてから桜がきれいだった、こんな色の桜があったなどとスタッフに教えてくれて、季節を感じる素敵な1日でした。

 

 

思いの詰まったあたたかい言葉

私は1年目の新人看護師です。日々患者様とかかわっていく中で、人として大切なことを多く学ばせていただいています。入院している患者様はこれまでに様々な経験をされ、困難を乗り越え今を生きていらっしゃいます。私にとって人生の大先輩です。その方々が色々な話をしてくださったり、中には詩を作ってくださった方もいらっしゃいました。

 ある患者様は「断じて行えば鬼神も之を避く」という言葉を教えてくださいました。断固たる決意をもって行動すれば、何者もそれを妨げることはできないという例えで、もし人生の中で本当に進みたい道があったなら簡単にあきらめてはいけない、という話をしてくださいました。この患者様はこの思いの通り、やりたいことがあるからと毎日リハビリに励んでいらっしゃいます。

残堀川の桜 

 またある患者様は「あなたは泥沼に咲くハイビスカス、そよ風に吹かれながら咲いている」と、一部ですが詩を作ってくださいました。人生は楽しいことばかりではなく、辛いことや悲しいことなど困難がたくさんある、でもその困難に勇敢に立ち向かい乗り越え、そして情熱をもって仕事に取組み今キラキラと輝いているという思いが込められています。「その情熱をいつまでも忘れないように」とお言葉をいただきました。
 様々な経験をしてきたからこその思いの詰まったあたたかい言葉で、新人の私にとってとてもうれしく心に響きました。この言葉たちを胸に毎日看護をしています。私たち医療スタッフは、患者様の人生の中の貴重な時間を共に過ごしています。患者様から多くのことを教えていただき日々学びながら少しでも患者様のお役に立てるように、貴重な時間がその人らしい充実した時間となるように、そしてご家族の思いに応えられるように、これからも一生懸命、看護に取り組んでいきたいと思います。

 

心は目に見えない、だけど心遣いは目に見える

 私が介護をやるうえで常に大切にしている言葉です。この病院の患者さんはほとんどが高齢者で、認知症を患っている人も多くいます。認知症という病気のとらえ方は人それぞれです。そもそも病気ではなく老化現象の一部であると言う人や、「人」が年齢を重ねるにつれ、迫りくる死への恐怖を忘れるためだという人もいます。

 介護をするということは認知症と向き合うことです。認知症は人を変えてしまいます。残念なことですが認知症によって今まで通りの家族という関係が変わってしまうこともあります。人・場所・時間・言葉など、その人をその人たらしめる様々なことを忘れたり、あるいは混同したりしてしまいます。周りの人は、自分の顔も名前も覚えてないなんて・・・・とショックを受けてしまうかもしれません。しかし、一番ショックなのは忘れてしまった本人なのではないでしょうか。 もし、自分が全く覚えのない人から「私は娘の○○よ、忘れちゃったの?」と言われたら・・・・。しかも、自分が今どこにいるのか、なぜここにいるのかもわからないのです。きっととても怖いと思います。
 人の心は目に見えません。だけどどんなに物を忘れても、どんなに言葉が出なくても、心を込めて行う介護は必ずその人に温もりのような安心感を与えることができます。きっとそれが「真心」というものでしょう。認知症を患っている人は常に混乱と戦っています。そんな中で、自分が関わったほんの一瞬でも安心していただくことができたらと思いながら日々介護をしています。
2階病棟 介護福祉士

自宅に帰るということ

 当院にはリハビリをして自宅に帰る方がたくさんいらっしゃいます。その中で私が担当させていただいたある患者様に学ばせていただいたことがあります。
その患者様は自宅では車いす生活を送っていましたが、入院時はほとんどの時間をベッド上で過ごされていました。奥様はほとんど毎日お見舞いにいらっしゃって、お二人時間を大切にされていました。

 ご本人からは「パソコンをやりたい」、奥様からは「トイレに行ってくれれば・・・」という希望が聞かれていました。進行性の難病を持った方だったことあり入院前までの状態まで回復することは難しかったため福祉用具や介護保険サービスの利用などを提案し環境を整えることを中心に退院をめざしました。

 入院から2か月後、デッド上でもパソコンが使える環境を整え、ポータブルトイレを使用することでトイレでの排泄が可能となり、無事に自宅へ退院することができました。退院する際に「ありがとう、次は歩いてくるね」と笑顔でおっしゃってくださったことを今も覚えています。

 ほとんどがベッド上での生活になっても笑顔で退院していったこの患12者様から”自宅へ帰る”といっても患者様、ご家族によって望んでいる生活は違うのだということを改めて学びました。リハビリスタッフとして自宅へ帰るため、望んでいる生活を送るためには何が必要かを常に考えながら、患者様に寄り添っていきたいと思います。                                                             理学療法士

リハビリスタッフによる退院前の家屋調査の様子。