細胞診検査で診断される代表的な疾患として、尿では膀胱癌、喀痰では肺癌、婦人科スメアからは子宮頚癌・子宮体癌などが挙げられます。その他にも乳癌や甲状腺癌が疑われる時には体表から針を刺して穿刺吸引細胞診が行われます。当院では2名の細胞検査士が担当し、悪性腫瘍が疑われる場合は複数の検査士および細胞診専門医で慎重に検討しています。
喀痰細胞診の標本
悪性中皮腫と診断された胸水細胞診の顕微鏡写真
内視鏡(胃や大腸の内視鏡、気管支鏡など)検査では、診断目的に3mmくらいの組織を採取してくる「生検」のほかに、「粘膜切除」「ポリペクトミー」などといって数cmまでの病変が切除されてくることがあります。皮膚腫瘍や前立腺の針生検なども毎日のように提出されています。手術で摘出される臓器については肉眼写真の撮影の後、充分な標本を作成し病理診断を行います。場合によっては手術中に凍結切片を作成して「術中迅速診断」を行う体制を整備しています。
臓器や疾患ごとに必要な染色・酵素抗体法・蛍光抗体法を行い、さらに必要であれば専門施設に検討を依頼するなどして質的診断の向上を図っています。
大腸内視鏡生検の標本
大腸癌と診断された組織標本の顕微鏡写真
闘病中に亡くなった患者様の御遺族には、主治医から病理解剖をお願いすることがあります。医療内容の検証を行い医学力量の向上に役立てさせていただくことが、私たち医療者にできる大切なお弔いだと考えているからです。病理解剖の承諾があれば、病理診断科スタッフで解剖を行い、各臓器を摘出して全身を検索します。また、毎月臨床病理検討会を開催し、全科の医師で生前の病状や解剖の所見を検討しています。病理解剖の報告は毎年まとめて日本病理学会に報告し、「剖検輯報(ぼうけんしゅうほう)」という年報に掲載されます。そして病理解剖にご協力いただいた方々の慰霊祭を一年に一度、病院全体で執り行っています。
当院では立川相互病院ばかりでなく、東京民医連に加盟する診療所・病院、あるいは近隣のクリニックの病理検査を担当しています。病理診断報告はFAXを利用して迅速な報告を心がけています。また、都心の常勤病理医不在の病院における病理解剖ならびに臨床病理検討会に協力しています。
(文責 布村)
氏名 | 布村眞季 |
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役職 | 科長 |
出身大学 | 京都府立医科大学(1990年卒) |
資格 | 日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞診学会専門医、死体解剖資格認定医 |
氏名 | 藤林真理子 |
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出身大学 | 東京女子医科大学(1977年卒) |
資格 | 日本病理学会認定病理専門医、日本病理学会認定病理専門医研修指導医、死体解剖資格認定医 |
氏名 | 冨永航平 |
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役職 | 後期研修医 |
出身大学 | 琉球大学(2019年卒) |
資格 | 病理診断科専門研修プログラム専攻 |
氏名 | 蛇澤晶(国立病院機構東京病院) |
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氏名 | 木谷匡志(国立病院機構東京病院) |
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